家庭で使うマグといえば陶器が代表的ですが、いざキャンプで使うマグを選ぼうとなるとさまざまな種類が出てきます。
例えば材質で分けると、チタンやステンレス,ホーローなど。その他にもシングルマグかダブルマグかなど、選択肢は豊富です。
今日は、そんなキャンプでいつも何気なしに使っているマグについて考察してみました。
最後に、実際に僕が使っているおすすめのマグもご紹介します。
ちなみに
よく’マグカップ’と言われていますがこれは和製英語だそうです。
ここ日本では マグ = マグカップ ですが、海外に行くと通じないので気をつけましょう。
構造で選ぶ
アウトドアシーンで使われる金属性マグ(チタンマグやステンレスマグ)には、2種類の製法で作った製品をよく見かけます。
ここでは、シングルマグとダブルマグを選ぶときのそれぞれの特徴を挙げます。
シングルマグ
- 直火で使用ができる
- コストパフォーマンスが良い
- 軽量
ダブルマグ
- 保温・保冷性に優れている
- 口当たりの良い厚み
- 結露しない
ちなみに一言にダブルマグと言っても、真空断熱構造のものとそうでないものの2種類あります。
上記のような特徴、特に保温・保冷性が優れているのが真空断熱構造タイプになります。
真空断熱構造は、ダブルマグの中の空間を真空状態にすることで空気の熱伝導を限りなく0に近づけ、熱が外側に逃げにくくすることができます。
例えば、スノーピークのマグ製品でも、チタンダブルマグシリーズは真空断熱構造ですが雪峰マグシリーズはそうではありません。
上記を簡単に表にしてみました。
シングルマグ | ダブルマグ | |
種類 | ◎ | ○ |
重量 | ◎ | △ |
料理 | ○ | × |
コスト | ○ | △ |
保温保冷性 | × | ◎ |
材質で選ぶ
アウトドアでよく流通しているマグの材質について、それぞれの特徴をまとめてみました。
チタン
出典:スター商事
チタンの主な特徴は①強い、②軽い、③錆びない、です。
「①強い」とは、キャンプシーンではあまり関係ないかもしれませんが「②軽い」は、例えば鉄と比べると重さは約2分の1ほどです。
「③錆びない」は、そのとおり海水に浸しておいたとしても錆びない性質を持っています。
そのかわり、材料の価格が高く、また加工も難しい金属なため、チタンを使った製品は高額になりがちです。
また、熱伝導率が低い特徴もあります。
これは一長一短で、取っ手付きチタンマグの底面を熱しても取っ手まで熱くならないメリットもありますが、料理するときは全体に熱が回らないないので焦げ付きやすくなってしまいます。
さらに、ことキャンプでの使用においては、熱伝導率が低い特徴から、熱いものを飲むときでも口をつけるところが熱くなりにくいです。
なお、チタンは金属臭も少ないのが特徴です。
こんな人に
- 登山など軽量化を必要とする人
- ハードな使い方をする人
ステンレス
出典:coleman
ステンレスは鉄にクロムを合わせた合金のことで、錆びにくいのが特徴です。
英語で「Stainless」と書き、訳すと「錆びない」となりますが決して錆びないわけではなく’錆びにくい’です。
重さは鉄と同じくらいで、加工もチタンほどは難しくないので製品価格も落ち着いています。
こんな人に
- オートキャンパー
- 重量を気にしない
- マグを使って料理する
アルミ
出典:nordisk
アルミを選ぶ特徴は軽い!ことです。
鉄の約3分の1の比重しかありません。先述のチタンよりもさらに軽い金属になります。
アルミを使った製品は錆びないと思われがちですが実際はアルミも錆びます。ただ、鉄のように茶色くなるわけではなく、白い粉を噴きます。
また、熱伝導率も高いので料理もできます。
そのため、どちらかといえばマグよりもクッカー製品でアルミを使っているのをよく見かけます。
ただし、弾性も少なく柔らかいことから曲がりやすくひびも入りやすいのでハードな使い方には向きません。
こんな人に
- マグ代わりにクッカーを使う
- 登山など軽量化を必要とする人
ホーロー
出典:GSI
ホーローとは鉄などの金属の表面にガラス質の薬品をつけて焼き付けたものです。それにより金属の強さとガラスの耐久性を併せ持っています。
中がアルミを使ったホーローは熱伝導率が高いので焦げ付きやすいです。
中が鉄を使ったホーローは熱伝導率は低いので一度熱すると冷めにくいので、煮込み料理などに向いています。
但し、急激な温度変化に弱く耐衝撃性も弱いので取り扱いには注意が必要です。
基本的には錆びませんが、ホーローの表面にキズが付いたりするとそこから錆が発生していきます。
また、色の付いたガラス質の薬品を使うことでカラフルな製品にすることが可能です。
ちなみに、漢字では「琺瑯」、英語では「Enamel」と書きます。
こんな人に
- おしゃれキャンパー
- オートキャンパー
上記材質の特徴を簡単に表にしてみました。
チタン | ステンレス | アルミ | ホーロー | |
種類 | ○ | ○ | △ | △ |
強度 | ◎ | ○ | △ | ○ |
重量 | ○ | △ | ○ | △ |
耐錆性 | ◎ | ○ | △ | ○ |
取り扱い | ◎ | ◎ | ○ | △ |
料理 | △ | ○ | ○ | ○ |
コスト | △ | ○ | ○ | △ |
次ページでは検討に検討を重ねた結果、僕が使っているマグをご紹介。
僕のマグ
最後に僕が実際にキャンプで使っているマグをご紹介します。
お店やカタログを眺めながら、いろんなメーカーのいろんな種類・大きさのマグを検討した結果、僕は材質や大きさなどでバリエーションが豊富なスノーピークに落ち着きました。
もし、複数の大きさのマグを持つなら、メーカーはひとつに統一したほうがスタッキングもしやすくて便利です。今回オススメする下記僕が使っているマグシリーズもすべてまとめて一つにスタッキングできるのでかさばらずスッキリです。
さて、アウトドア用マグは容量もさまざまです。小さいのだと200ml程度のものから大きいのでは650mlを超えるマグなどがあります。
僕は実際に220mlと300mlのほか450mlのマグを持っており、参考にその使い分けをご紹介。
220mlマグ
この小さなマグは、一見すると小さすぎて使いにくそうに思われがちですが、実はこれが一番お気に入りだったりします。
キャンプでは主に朝食のホットコーヒーを入れたりするときに重宝してます。
そして、マグの構造もこのくらい小さいと冷める前に飲みきることもできるので、わざわざ高いダブルにする必要もないと思います。
300mlマグ
これが活用するシーンは、キャンプだけに限らず自宅でもウイスキーや焼酎をロックで飲むときにぴったりの大きさです。
特に氷を入れてお酒を楽しむ場合は、ゆっくりと変化を楽しめるようダブルマグがおススメです。
450mlマグ
450mlマグを買った理由は、これに350ml缶ビールを注ぐと泡も含めて一回でちょうど全部注ぐことができるからです。
どちらかというとキャンプよりも家飲みするときに欠かせないマグですね。
チタンマグに注ぐと、素材表面のザラツキによりキメ細かい泡に仕上げることができ、とってもおいしくビールが飲めますよ。
なお、このくらいの大きさのマグはダブルよりもシングルのほうが断然オススメです。インスタントスープなど直接火にかけることができるのでより重宝します。